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根管治療後の被せ物は保険適用?保険適用外?それぞれの種類とメリット・デメリット

▼目次

1. 根管治療後の被せ物とは?治療ステップと被せ物の役割について

2. 根管治療後の被せ物の種類(保険適用と保険適用外)とメリット・デメリット

3. 根管治療後に必要な被せ物の「精度」

まとめ

 
根管治療後、歯に被せ物をすることは非常に重要です。根管治療で歯の神経を取り除いた後、歯はもろくなるため、被せ物で補強しなければ歯の破損のリスクが高まります。さらに、被せ物は歯を保護するだけでなく、見た目、噛み合わせを維持する役割も果たします。今回は、保険適用と適用外の被せ物の種類とその特徴、精度の重要性について詳しく解説します。
 

1. 根管治療後の被せ物とは?治療ステップと被せ物の役割について

根管治療は、歯の内部にある感染した神経や組織を除去し、歯を保存するための治療です。しかし、治療後の歯は脆くなりがちで、噛む力に耐えきれずに割れたり欠けたりするリスクがあります。このため、治療後には被せ物を装着して歯を保護し、強度を確保します。
 
被せ物は、根管治療で中が空になった歯に装着されるもので、次のような役割があります。
 

①歯の保護

治療後の歯を覆うことで、外部からの刺激や噛む力から守ります。
 

➁強度の向上

歯の内側まで被せることで、歯全体を強化します。
 

➂審美性の向上

前歯など目立つ位置の場合、見た目も美しく整えられます。
 
このように、根管治療後の被せ物は、歯の健康を長期的に維持するための重要なステップです。
 
 

2. 根管治療後の被せ物の種類(保険適用と保険適用外)とメリット・デメリット

根管治療後の被せ物には、保険適用のものと保険適用外(自由診療)のものがあります。
ここではそれぞれの種類と特徴を詳しく見ていきましょう。
 

<保険適用の被せ物>

①硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠は、表面に白いレジン素材を使用し、裏側に金属を用いる被せ物です。前歯など目立つ部分の歯に使用されることが多いです。
メリット: 前歯などの目立つ部分にも使用しやすいです。保険適用で低コストです。
デメリット: 時間が経つと変色することがあり、摩耗もしやすいため、耐久性が高くありません。
 

➁銀歯(メタルクラウン)

銀歯は、主に奥歯に使用される保険適用の金属製の被せ物です。耐久性が高く、強い噛み合わせにも対応しますが、見た目が銀色で目立つため、審美性に欠けます。
メリット: 耐久性が高く、強い噛み合わせにも耐えられます。保険適用でコストを抑えられます。
デメリット: 金属色が目立つため、前歯などには不向きです。金属アレルギーのリスクがある方は避けたほうがいいでしょう。
 

③CADCAM冠

CADCAM冠は、CADCAM技術を用いてコンピュータで設計・製作される被せ物です。プラスチックとセラミックを混合した素材で作られ、白く自然な見た目が特徴です。
CADCAM冠は、部位や金属アレルギーの有無などによって保険適用できるか決まります。ご自身が適用できるか、歯科医師に相談してみてください。
メリット: 白く自然な見た目が得られ、保険適用により費用を抑えつつ審美性が得られます。
デメリット: 強度が金属製クラウンほど高くないため、特に奥歯では摩耗や破損のリスクがあります。
 

<保険適用外の被せ物>

➀ジルコニアクラウン

ジルコニアは、白くて非常に強度が高いセラミック素材です。透明感もあり、見た目が自然に仕上がるため、審美性に優れています。
メリット: 見た目が自然で、非常に硬く耐久性が高いため、長期的に使用が可能です。
デメリット: 保険が適用されないため、費用が高くなります。また、非常に硬いため、周囲の歯に負担がかかる可能性があります。
 

➁セラミッククラウン

オールセラミックは、ジルコニアほどの強度はありませんが、透明感があり、自然な見た目に仕上がるため、特に前歯におすすめです。
メリット: 天然の歯に近い透明感と美しさがあり、金属アレルギーの心配がありません。
デメリット: 割れやすく、噛み合わせが強い場合には向きません。保険適用の被せ物よりも費用が高くなります。
 

➂メタルボンドクラウン

メタルボンドクラウンは、内側に金属を使い、表面にセラミックを焼き付けた被せ物です。強度と審美性を両立しています。
メリット: 耐久性が高く、奥歯にも使用可能でありながら、表面がセラミックなので自然な見た目が得られます。
デメリット: 内側に金属を使用するため、経年で金属が透けて見えることがあります。保険適用の被せ物よりも費用がかかり、金属アレルギーの可能性もあります。
 
 

3. 根管治療後に必要な被せ物の「精度」

被せ物には「精度」が求められます。
被せ物の「精度」とは、被せ物(クラウンやインレーなど)がどれだけ歯にぴったりと合うか、その適合性の高さを指します。精度が高い被せ物は、歯と被せ物の間に隙間が少なく、治療後のトラブルを防ぐために重要な要素です。
被せ物の精度が高いほど、装着した際に歯との密着度が高まり、隙間ができにくくなります。精度の低い被せ物では、歯と被せ物の間に隙間ができやすく、そこから細菌が入り込み、再びむし歯が進行してしまうリスクが高まります。精度の良い被せ物を装着することで、長期的に健康な口腔環境を維持することができます。
 
被せ物の精度が低い場合、以下のようなリスクがあります。
 

①むし歯の再発

隙間に食べ物が詰まりやすくなり、むし歯が再発しやすくなります。
 

➁口臭や歯周病

隙間に細菌が溜まり、口臭や歯周病の原因となります。
 

➂歯や周囲の歯への負担増加

被せ物の精度が低いと、噛み合わせのバランスが崩れ、歯や顎に負担がかかりやすくなります。
 
被せ物の精度を高めるためには、歯科医師の技術とともに、使用する素材や製作工程も重要です。歯科医師との相談のもと、自分に最適な被せ物を選ぶことが大切です。
 
 

まとめ

根管治療後の被せ物は、歯を保護し、噛み合わせや見た目のために欠かせません。保険適用の硬質レジン前装冠や銀歯はコスト面でのメリットがある一方、審美性や耐久性の面でのデメリットもあります。保険適用外のジルコニアやセラミックは、見た目が自然で美しく、耐久性も高いですが、費用が高いのがデメリットです。また、被せ物の精度も重要であり、境目に隙間がないよう高精度な被せ物を選ぶことが、再治療を防ぐ鍵となります。
 
 
被せ物の選択に迷われた際は、歯科医院でのカウンセリングをおすすめします。福島周辺で根管治療や根管治療後の被せ物についてお悩みの方は、奥州福島Premiumデンタルクリニックまでお気軽にご相談ください。患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な選択をサポートいたします。
 
 



監修

奥州福島Premiumデンタルクリニック
TOKU根管治療専門室 鈴木篤太郎