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インプラント歯周炎の原因とは?症状の進行や治療法・予防法を解説

▼目次

1. インプラント歯周炎とは?その症状と進行状況

2. インプラント歯周炎になる原因

3. インプラント歯周炎の治療法

4. インプラント歯周炎の予防法

 
 
インプラント治療は失った歯を補うための画期的な治療法ですが、インプラント周囲に起こる炎症「インプラント歯周炎」には注意が必要です。
今回は、インプラント歯周炎の原因、症状の進行、治療法、そして予防法について詳しく解説します。
 
 

1. インプラント歯周炎とは?その症状と進行状況

インプラント歯周炎とは、インプラントの周囲に炎症が発生する状態を指します。これは、天然の歯の周りに起こる歯周病と同様に、細菌感染によって引き起こされるものです。インプラントの周囲にプラークや歯石が蓄積することで、歯ぐきや骨にダメージを与えます。
 
症状の進行状況については、以下のように段階的に進行します。
 

①インプラント周囲粘膜炎(初期段階)

インプラント周囲の歯肉が赤く腫れ、出血しやすくなります。痛みは少ないものの、歯茎の健康状態が悪化しているサインです。
 

②インプラント歯周炎(進行段階)

炎症が進むと、歯ぐきの下にある骨が徐々に失われます。この骨吸収が進むと、インプラントが不安定になり、最終的にはインプラントが脱落してしまう危険性が高まります。痛みや膿が出ることもあります。
 
 

2. インプラント歯周炎になる原因

 
インプラント歯周炎はさまざまな要因によって引き起こされます。ここでは、インプラント周囲炎になる原因について詳しく見ていきましょう。
 

①インプラント手術後のメンテナンス不足

インプラント手術後の定期的なメンテナンス不足は、インプラント歯周炎の大きな原因の一つです。毎日のブラッシングやデンタルフロスを怠ると、インプラント周囲にプラークや歯石がたまり、炎症を引き起こしやすくなります。
 

②むし歯や歯周病の治療不足

インプラントを埋入する前に、既存のむし歯や歯周病が十分に治療されていない場合、インプラント周囲にも炎症を引き起こす可能性があります。手術前にはむし歯治療や歯周病治療が必要です。
 

③生活習慣・既往歴

喫煙、糖尿病、免疫力の低下などが、インプラント歯周炎のリスクを高めます。これらのリスクを減らすためには、生活習慣の見直しが必要です。
 

④食いしばりや歯ぎしり

過度なくいしばりや歯ぎしりは、インプラントに負担をかけ、周囲の歯ぐきや骨に炎症を引き起こす可能性があります。必要に応じてナイトガードの使用が推奨されます。
 
 

3. インプラント歯周炎の治療法

 
インプラント歯周炎の治療法は、症状の進行状況に応じて大きく分けて非外科的治療と外科的治療の2種類があります。
 

①非外科的治療

手術を行わない治療法です。専門的なクリーニングや日常の口腔ケアが中心となります。プラークや歯石の除去、歯周ポケットの洗浄、抗菌薬の使用が行われます。
 
・インプラント周囲のスケーリング
インプラント周囲にたまった汚れやプラークを徹底的に除去します。
 
・歯周ポケット内の洗浄と薬剤の注入
歯ぐきの奥深くにある歯周ポケット内を洗浄し、抗菌薬を注入して炎症を抑えます。
 
・抗生物質の投与
感染の広がりを防ぐために、必要に応じて抗生物質を投与し、炎症を抑制します。
 
・ブラッシングや生活指導
インプラントの長期的な健康を維持するために、正しいブラッシング方法や生活習慣の改善についての指導が行われます。
 

②外科的治療

非外科的治療で改善しない場合、歯茎の切開やインプラント周囲の骨の再生治療が必要です。これにより、炎症を抑えることが期待されますが、インプラントの除去が必要になることもあります。
 
・歯茎の切開とインプラント表面の清掃
歯ぐきを切開し、インプラント周囲に溜まった汚れや細菌を徹底的に除去します。
 
・骨の再生治療
骨の吸収が進んでいる場合には、骨移植や再生を促すための治療を行います。これにより、新たな骨の形成が期待できます。
 
 

4. インプラント歯周炎の予防法

インプラント歯周炎を防ぐためには、毎日の口腔ケアと定期的な歯科検診が重要です。インプラントは天然の歯と同様に、適切なケアを怠ると、細菌感染により炎症を引き起こしやすくなります。以下でインプラント歯周炎の予防法について見てみましょう。
 

①毎日の丁寧なブラッシング

インプラント周囲を清潔に保つためには、毎日のブラッシングが欠かせません。特に、インプラントと歯ぐきの境目にプラークがたまりやすいため、細部まで丁寧に磨くことが大切です。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間を清掃することで、プラークの蓄積を防ぐことができます。
 

②定期的な歯科検診とクリーニング

インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯科検診が重要です。3カ月に一回は歯科医院でのチェックを受け、インプラント周囲の状態を確認してもらうことが推奨されます。また、専門的なクリーニングを行い、日常のブラッシングでは取りきれない歯石やプラークを除去し、炎症を予防します。
 

③禁煙や生活習慣の改善

喫煙はインプラント周囲炎のリスクを大幅に高める要因の一つです。禁煙やバランスの取れた生活習慣は、口腔内の健康維持にも重要です。
 

④食いしばりや歯ぎしりへの対策

食いしばりや歯ぎしりがある場合、インプラントに過度な負荷がかかり、周囲の組織に炎症を引き起こすリスクが高まります。食いしばりや歯ぎしりがある場合は、ナイトガードなどを使用してインプラントにかかる負担を軽減することが効果的です。
 
 
インプラント歯周炎は、早期発見と適切なケアが重要です。日々の口腔ケアを徹底し、定期的な歯科検診を受けることで、インプラントの健康を守りましょう。
福島市でインプラントのケアをご希望の方は、福島Premiumデンタルクリニックにご相談ください。
 
 


監修
 院長・審美歯科担当 山田 恵理