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インプラント治療は何歳から何歳まで可能?年齢ごとの注意点を紹介

▼目次

1. インプラント治療の年齢制限とは?

2. 若年層(10代後半~20代)のインプラント治療の注意点

3. 高齢者のインプラント治療の注意点

4. インプラント治療を受けられないケース

 
インプラント治療は失った歯を補うための治療として、多くの患者さんに選ばれています。
今回は、インプラント治療は何歳から何歳くらいまで可能なのか、また年齢による注意点について解説します。
 

1. インプラント治療の年齢制限とは?

インプラント治療に年齢制限があるのかという問題に関しては、一般的には年齢制限はありません。
しかし、成長期の子供にはインプラント治療を行わないことが推奨されています。
そのため成長が止まった大人に対してインプラント治療が行われることがほとんどです。
成長期の子供に対しては、顎の骨がまだ成長しているため、インプラントが適切な位置に固定されず問題が生じることがあるからです。

高齢者の方がインプラント治療を受ける際は特に、体調や口腔環境を考慮する必要があります。
全身的な健康が安定していることが確認できれば、高齢者でもインプラント治療を受けることができます。

最近では、高齢者でも安心してインプラント治療を受けられるようになってきています。
高齢者におけるインプラント治療の安全性が高まっている背景には、以下の3つの理由があります。
 

➀医療技術の進歩

インプラント治療は昔に比べて技術が格段に進化し、治療の精度が向上しています。そのため、高齢者でも安心して受けられる治療となっています。
 

➁骨密度の問題をクリアする治療法の普及

高齢者の場合、骨密度の低下が懸念されることがありますが、近年では骨の状態に合わせたインプラント治療法が開発されており、高齢者でも適切な治療が受けられるようになっています。
(一部の骨粗鬆症治療薬の服用者など、インプラント治療のリスクが高いケースもありますので、必ず歯科医にご相談下さい。)
 

➂合併症や持病への配慮

高齢者には持病や合併症があることが多いため、それらに配慮した治療が求められます。
近年のインプラント治療は合併症や持病に配慮し、患者さん一人ひとりに合わせた治療プランを提案しています。

以上の理由から、高齢者でもインプラント治療を受けられる状況が整ってきています。
ただし、インプラント治療を受ける前には、必ず担当医と相談し、適切な治療プランを立てることが大切です。
 

2. 若年層(10代後半~20代)のインプラント治療の注意点

若年層にかけては、身体の成長はほぼ完了しているものの、顎の骨や口腔環境には個人差ががあり、慎重な判断が求められます。
ここでは、若年層がインプラント治療を受ける際の主な注意点について解説します。
 

➀顎骨の成長について

20歳を基準にインプラント治療可能といわれますが、あくまで平均的な年齢であり、個人差があります。
インプラント治療が可能かどうかは、インプラント治療を行う顎骨の成長が終わっているかどうかが重要になります。
顎骨が十分に成長しないうちにインプラントを埋入すると、将来的に噛み合わせが悪くなったり、見た目に影響が出るリスクがあります。
 

➁歯列の変化が起きやすい

インプラントは歯を失った場合に人工の歯根を入れる治療法です。若年層では歯列の変化が見られることがあるため、噛み合わせや歯並びに注意する必要があります。
インプラントが周囲の歯や骨の成長に影響を与える可能性はあります。
 

➂長期間使用するためメンテナンスがより重要に

インプラントは治療が終わってからのメンテナンスが非常に重要です。若年層の方がインプラント治療を受ける場合、長期間にわたるメンテナンスが必要です。
インプラントは天然歯と同様にしっかりとしたケアをしていく必要があります。
しっかりとメンテナンスを行うことが、インプラントを長持ちさせる秘訣となります。

以上が、若年層がインプラント治療を受ける際の主な注意点になります。

しかし若い頃は健康で体力がある場合が多いため、持病のある方や高齢者の場合に比べて、免疫力も高く傷の治りも早いので、インプラント治療後の回復は早くなる傾向にあります。
またブリッジや入れ歯に比べてインプラントは健康な他の歯にダメージを与えずに済むというメリットがあります。
若いうちに歯が無い部分にインプラント治療を行うことで、その恩恵をより長い期間得られます。
このように若い世代でインプラント治療を行うメリットも多数あります。

奥州福島Premiumデンタルクリニックでは、インプラント治療を安心して受けられるよう、個々の状況に応じた最適な対策を提案しています。
もしインプラント治療を検討している方がいらっしゃれば、お気軽にお問い合わせください。
 

3. 高齢者のインプラント治療の注意点と、高齢者でインプラント治療が受けられる背景

高齢者の方がインプラント治療を受ける際は特に、体調や口腔環境を考慮する必要があります。
ここでは、高齢者の方がインプラント治療を受ける際の注意点を解説します。
 

➀全身疾患の有無

インプラント治療には、全身の健康状態が大きく影響します。
持病によって服薬している方もいらっしゃるかと思いますが、薬の種類によってはインプラント治療を行うことが難しい場合があります。
また糖尿病や高血圧、心臓病などの慢性疾患を持っている高齢者の場合、治療を進めるために、医師・歯科医師と密に連携することが求められます。
全身的な健康が安定していることが確認できれば、高齢者でもインプラント治療を受けることができます。
 

➁十分な骨量があるか

高齢になると、骨量が低下していることがあります。
インプラントの成功率を高めるためには、十分な骨の量と質が必要です。
事前に骨の状態をしっかりと評価することで、インプラントの成功率を高めることができます。
 

➂口腔内の状態が良好なこと

高齢者は唾液の分泌減少や全身疾患の影響により、歯周病になりやすい状態にあります。
口腔内の状態はインプラント治療前、治療後ともに清潔に保たなければなりません。
そのため、定期的にクリーニングを受けながら、口腔内の状態を良好に管理出来るかどうかが重要になります。
 

4. インプラント治療を受けられないケース

インプラント治療が可能な年齢であっても、インプラント治療を受けられないケースも存在します。
ここでは、インプラント治療が難しい、または避けるべきケースについて詳しく解説します。
 

➀口腔内の状態に問題がある場合

インプラント治療を受けるためには、口腔内の状態が良好であることが前提です。
特に、歯周病を患っている場合、歯の下にある骨まで細菌感染が進んでいることもあり、この状態でインプラントを埋入すると、骨がインプラントをしっかり支えることができない可能性があります。
またインプラント埋入後もブラッシングを行って口腔内の状態を清潔に保つ必要があります。
歯磨きが不十分な場合、インプラント周囲炎になってしまいます。進行すると、インプラントが抜けてしまうケースもあります。
インプラント治療を受ける前はもちろんのこと、インプラント治療後も日々の口腔ケアを徹底することが重要です。
 

➁重度の全身疾患がある場合

インプラント治療は外科的手術を伴うため、重度の全身疾患を抱えている場合には治療が難しいことがあります。
特に以下の疾患を持つ方は、治療が難しいケースが多いです。

・重度の糖尿病
免疫力の低下により、傷の治癒が遅く、手術後に感染症を引き起こすリスクが高まります。
また、骨の結合が十分に行われない可能性もあり、インプラントの安定性が損なわれます。

・循環器系疾患
高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患を抱える場合、手術中の緊張や痛みで血圧が上昇し、健康リスクが高まるため、インプラント治療が行えない場合があります。

・骨粗しょう症
骨粗しょう症の治療で使用されるビスホスホネート製剤は骨を強化する作用があるものの、顎骨壊死のリスクが高まる可能性があります。
そのため、ビスホスホネート製剤服用されている場合のインプラント治療は難しくなっています。
 

➂喫煙習慣がある場合

喫煙はインプラント治療の成功率を大きく下げる要因の一つです。
喫煙によって口腔内の血流が悪化し、インプラント周囲の骨が十分に回復しないことがあります。
これにより、インプラントがうまく定着せず、早期に失敗するリスクが高まります。
また、喫煙はインプラント周囲の組織に悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎を引き起こしやすくなります。
少なくとも治療の前後数週間は禁煙し、可能であれば長期的な禁煙を目指すことが重要です。

インプラント治療が可能な年齢であっても、口腔内の健康状態や全身状態によってはインプラント治療困難な場合もあります。
特に重度の歯周病、重度の全身疾患がある場合や、インプラント治療後の通院が難しく口腔内の状態を管理できない場合には、インプラント治療は控えた方がよいでしょう。

インプラント療を検討する際は、歯科医師と相談し、適切な治療計画を立てることが重要になります。
インプラント治療をご希望の方は、奥州福島Premiumデンタルクリニックに一度ご相談ください。


監修
 院長・審美歯科担当 山田 恵理