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根管治療の流れと治療で使われる器具や薬剤の役割

▼目次

1. 根管治療の治療ステップ

2. 根管治療で使われる主な器具について

3. 根管治療で使われる主な薬剤について

 
根管治療は歯の内部にある神経(歯髄)にまでむし歯が進行した場合に歯を救うために行われる治療です。歯髄や感染した組織を取り除き、歯を健康な状態で維持する根管治療には、さまざまな検査器械、専用器具、薬剤などが使用されます。
今回は、根管治療の基本的な流れや、それぞれの治療ステップで使われる専用器具や薬剤について詳しく解説します。
 

1. 根管治療の治療ステップ

根管治療は、歯の内部(根管)を清潔にし、歯を長持ちさせるための治療です。
根管治療は以下のようなステップで進められます。
 

①感染組織を取り除き形を整える(機械的拡大)

最初に、専用の器具を使用して感染した神経や細菌を取り除き、次の工程で薬剤が隅々まで行き届きやすくするために形を整えていきます。
 

②歯の中を洗浄して清潔に保つ(化学的洗浄)

専用の薬剤を使って歯の中を徹底的に洗浄します。目に見えない汚れや細菌類を薬剤の力で取り除きます。
これは、専用の器具による掃除だけでは落としきれない部分を、特別な薬剤で清潔にしていくステップです。
 

③薬剤を詰め密閉する(根管貼薬)

歯の中に薬剤を入れます。この薬剤は、治療後の細菌の増殖を防ぎ、炎症を抑えます。薬剤を入れて蓋をした後は、数日間から数週間そのままにして、歯の中の状態が落ち着くのを経過観察します。この間、症状が改善されているかを歯科医師が確認しながら進めます。
 

④専用の充填材で根管内を密閉する(根管充填)

①~③の処置を行い、治癒に向かうレベルまで細菌を除去したら、根管に専用の充填材を入れ、密閉します。密閉することで唾液などの細菌源の通り道を遮断し、病気の再発を防ぎます。
 

⑤最終的な修復(歯冠修復)

治療後は、歯の上部に詰め物や被せ物をして補強し、噛む機能を回復します。
 
根管治療は、何度か通院が必要になる場合もありますが、しっかりと手順を踏むことで歯を健康な状態にしていきます。
 
 

2. 根管治療で使われる主な器具について

根管治療には、多くの専用器具が用いられます。それぞれが重要な役割を果たしています。
 

①リーマーとファイル

リーマーとファイルは、ステンレスやニッケルチタン製のものがあります。
ニッケルチタン製のものは、柔軟性があり、根管の形状に合わせて操作が可能です。根管内を機械的に拡大して感染組織を除去します。また、その後の治療がしやすいように根管の形を整えます。
 

②ルーペ(拡大鏡)やマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)

ルーペやマイクロスコープは、根管内を精密に確認するために使用します。肉眼では見えない微細な根管の入口や分岐点を確認し、より正確な治療を行います。
 

③ラバーダム

ラバーダムとは、ゴム製のシートで、治療する歯を口腔内から隔離するために使用します。
治療中の細菌感染を防止するために非常に大切です。
 

④超音波スケーラー

一般的には歯石を取る際に、よく使われる機械です。
超音波の力で器具を振動させ、根管の中にこびりついた汚れを除去することが可能です。
 
 

3. 根管治療で使われる主な薬剤について

根管治療では、感染の除去や再感染防止のために薬剤を使用します。これらの薬剤は、歯の内部を消毒し、治癒を促進する役割を果たします。それぞれの特徴と役割を見ていきましょう。
 

①次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウムは優れた殺菌作用を持ち、感染した組織を化学的に分解することができます。根管内の細菌を効果的に除去するため、洗浄液として広く使用されます。
根管治療の治療ステップの「化学的洗浄」で使用されます。
 

②EDTA(エチレンジアミン四酢酸)

EDTAは根管内の無機成分を溶解し、象牙細管に入り込んでいるデブリを除去する役割を担っています。そのため、滑らかな根管の壁を作ることができ、充填材がしっかり密着するようにサポートします。
根管治療の治療ステップの「化学的洗浄」で使用されます。
 

③水酸化カルシウム

水酸化カルシウムは殺菌作用と抗炎症作用を持ち、根尖周囲の組織の治癒を促進します。
根管治療の治療ステップの「根管貼薬」で使用されます。
 

④ガッタパーチャポイント

ガッタパーチャポイントは 天然樹脂由来で柔軟性があり、根管の形状にフィットします。治療方式によってはルートキャナルプラガーと一緒に使われ、根管を密閉するように押し込みながら充填します。
根管治療の治療ステップの「根管充填」で使用されます。
 

⑤ルートキャナルシーラー(封鎖剤)

ルートキャナルシーラーは、化学的に硬化してガッタパーチャポイントの隙間を埋める糊のような役割を果たします。これにより長期間にわたって根管を密閉します。
根管治療の治療ステップの「根管充填」で使用されます。
 

⑥鎮痛薬や抗生物質

治療後の痛みや感染予防のために処方されることがあります。
 

まとめ

根管治療は、機械的拡大や化学的洗浄、根管貼薬などのステップを経て進められ、それぞれのステップで専用器具や薬剤が使用されます。これらの器具や薬剤は、感染部分を除去し、また新たな感染を防ぎ、歯を健康な状態に保つ重要な役割を果たします。
 
福島市、福島駅近くの歯医者 奥州福島Premiumデンタルクリニックでは、患者さん一人ひとりの状態に合わせた根管治療をご提案しています。福島市、福島駅近くで根管治療にお悩みの場合は奥州福島Premiumデンタルクリニックまでご相談ください。
 
 



監修

奥州福島Premiumデンタルクリニック
TOKU根管治療専門室 鈴木篤太郎