ブログ

根管治療中や治療後の膿や臭いの原因とその対処法

▼目次

1. 根管治療中に感じる臭いの理由

2. 根管治療後に膿や臭いが続く原因

3. 根管治療後の膿や臭いを放置するリスク

4. 根管治療後の膿や臭いに対処する方法と注意点

 
根管治療は、歯の内部の感染した神経や血管(歯髄)を除去し、歯を保存するために行われる治療法です。しかし、稀に治療中や治療後に膿や不快な臭いが発生することがあります。これらの症状は、感染組織が完全に除去されていない可能性があることを示すサインです。今回は、根管治療中および治療後の膿や臭いの原因と、どのように対処すべきかについて詳しく解説します。
 

1. 根管治療中に感じる臭いの理由

根管治療中に感じる臭いの多くは、感染した歯の内部に溜まった細菌や、壊死した組織が原因です。
 
細菌が繁殖することでガスが発生し、それが不快な臭いの元となります。特に、治療中に感染部分を清掃している際に、細菌による分解物が外部に排出されることで強い臭いを感じることがあります。
 
また、歯の内部には血液や神経が存在しており、これらの組織が感染によって壊死すると、その分解による臭いも発生します。根管治療では、これらの感染した部分を徹底的に除去し、臭いの元を取り除くことが目的です。
 

2. 根管治療後に膿や臭いが続く原因

根管治療終了後にも膿や臭いが続く場合、以下のような原因が考えられます。
 

①根管内の細菌除去が不十分である場合

再感染を引き起こさないレベルまで細菌を除去できなかった場合、再感染が起こり、膿が形成されることがあります。この場合、感染が広がり、膿が発生すると共に強い臭いが感じられます。
 

②根尖部周辺に残る炎症

歯の根の先端(根尖)周辺に炎症が残ることも、治療後に膿や臭いが続く原因の一つです。根尖部周辺に残った感染が治癒に至らなかった場合、膿が排出され続け、再び痛みや臭いが生じることがあります。このようなケースでは、根尖切除術などの外科的治療が必要になることがあります。
 

③根管治療後に進行した歯周病

治療後、歯茎の炎症が進行している場合、歯周病が原因で臭いが発生することがあります。歯周病は歯の周囲の組織や骨を破壊する病気で、進行すると膿や臭いを引き起こします。早期の治療が必要なためすぐに歯科医師へ相談しましょう。
 

3. 根管治療後の膿や臭いを放置するリスク

膿や臭いが治療後も続いている場合、それを放置すると以下のような大きな問題を招くことがあります。
 

①周囲の歯や組織への感染拡大

放置された感染は、周囲の歯や歯茎、さらには顎の骨にまで広がることがあります。感染が広がると治療がより難しくなり、他の健康な歯も影響を受けるリスクが高まります。このような状態まで進行すると、通常の根管治療では解決できず、外科的処置が必要になることがあります。
 

②歯の喪失

膿や臭いが続くことは、完全に治癒していないことを示しています。感染が進行し続けると、最終的に歯を保存できなくなり、抜歯が必要になることもあります。歯を失うことは、口腔機能や審美性に大きな影響を与えます。感染が進行する前に早期の再治療が必要です。
 

③全身への影響

膿の排出を長期間放置すると、口腔内だけでなく全身への影響も考えられます。特に免疫力が低下している場合、細菌が血流を通じて体内に広がり、深刻な健康リスクを引き起こす可能性があります。これらのリスクを避けるためにも、早期の治療が不可欠です。
 

4. 根管治療後の膿や臭いに対処する方法と注意点

膿や臭いが続いている場合は、早期に対処することが重要です。以下は、具体的な対処方法と注意点です。
 

①歯科医師に早期相談

最も重要なのは、早めに歯科医師に相談することです。膿や臭いが続く原因を特定し、適切な処置を受けることで、症状を悪化させずに治療を進めることができます。再治療や外科的処置が必要な場合でも、早めに対応することで回復が早まります。症状を放置せず、速やかに受診することが大切です。
 

②追加の根管治療や外科的処置

歯の内部に残った細菌を完全に除去するため、再度治療を行うことで、感染の再発を防ぎます。また、根尖部に炎症が残っている場合は「歯根端切除術」と呼ばれる外科的処置が効果的です。この手術により、根の先端の炎症部分を除去し、膿の再発を防ぐことが可能です。
 

③抗生物質の投与

膿や臭いが続く原因が細菌感染によるものである場合、抗生物質の投与が有効です。抗生物質は感染を抑え、再感染のリスクを減らすために用いられます。歯科医師の指示に従って正確な期間服用することが重要です。自己判断で中断せず、処方通りに服用することで、症状の改善が期待できます。
 

④定期的なメンテナンス

根管治療後も、定期的なメンテナンスが重要です。定期的に歯科医院でチェックを受け、歯や歯茎の状態を確認してもらうことで、再発を予防できます。日常の口腔ケアも欠かさず行い、感染や炎症を防ぐことが大切です。
 
 
 
 
根管治療中や治療後に膿や臭いが発生する場合、放置せず、早期に対処することが重要です。膿や臭いの原因には、感染の再発や治療の不完全さ、歯周病などが考えられますが、早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。
 
 
奥州福島Premiumデンタルクリニックでは他の歯科医院で受けた根管治療に対しても相談を受け付けています。ぜひ治療した歯に不安や違和感がある方は一度来院をご検討ください。
 
 



監修

奥州福島Premiumデンタルクリニック
TOKU根管治療専門室 鈴木篤太郎